私たちは、身体疾患を抱える方々やそのご家族が一人でも多く良質な心理支援に繋がってほしいと考えています。
リエゾン心理師は、身体疾患を抱える方、そのご家族、医療チームに心理的な支援を提供することを専門とする心理職です。ご本人やご家族の話に耳を傾け、その方の精神・心理の状態を把握し、問題解決の糸口を探ります。また、支援に関わる他職種とも協働することで、身体疾患を抱える方々の心の健康を支援します。
そして、リエゾン心理師が良質な支援を行うためには、適切な教育・研修を通して必要な能力を身につけることが重要だと考えています。
NPO法人リエゾン心理師の会設立まで
私たちは、2010年から「リエゾン心理士の会」という任意団体として、本領域で働く心理職のネットワーク構築や相互研鑽を積むことを活動趣旨に掲げ、年に複数回の勉強会等を開催してきました。また、効果的な研修の構築のため、本領域の心理職に求められる専門性に関する研究活動も行ってきました。
こうした活動で得たものを土台とし、高い専門性を有するリエゾン領域の心理職の育成・支援を行うことを通して、身体疾患を抱える方々やそのご家族の心の健康を保持、増進することを目的に、2023年4月にNPO法人を設立しました。
当会の事業について
大きく分けて3つの事業を柱としています。
1. リエゾン心理師同士のネットワークを作り、相互に支援する
身体疾患領域の臨床に関心をもつ心理師が繋がる場を提供し、心理師間の交流を促すことで、本領域の心理師が支え合いながら活動するためのネットワークを作ります。
2. リエゾン心理師の育成および身体疾患における心理支援の向上に資する研修を行う
「リエゾン領域の心理職としての自立までの成長ラダー」に沿って、身体疾患患者および医療チームに関わる心理職に求められる能力要件を効率的に習得するための研修プログラムを企画・実施します。
3.身体疾患における心理支援に関する研究を行い、その意義や効果を検証する
エビデンスに基づいた研修プログラムの確立や提供に向け、研究により課題を明らかにし、研修実装への橋渡しを行います。また,臨床現場で働く心理職が行う臨床研究に役立つ情報を提供します。
これらの事業を通して質の高い心理支援を提供することのできるリエゾン心理師を増やし、身体疾患を抱える方々やそのご家族が少しでもその人らしく生活していくことのできる社会を目指します。
主な活動
●専門性向上のための研修会の実施
●ネットワークづくりのための交流会の実施
●若手の会(リエゾン経験5年以内の若手の会)の実施
●slack等を活用した心理師間の交流の場の提供
●NPO法人およびリエゾン心理師に関する広報活動